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始めのうちは、小学生くらいの少年が遠慮がちに見ているくらいだったが、担ぐ袋が二つ目に達した頃、ギャラリーが増え始めた。
夜遊びばかりしているだけあって、疋田はUFOキャッチャーが上手く、交代でやっているにも拘らず、景品を取っているのは疋田ばかりだった。
気をよくしたのか、疋田は景品を獲得する度にギャラリーに向かってガッツポーズを作り、ギャラリーもそれに湧いていた。
金は自分で出していないくせに、疋田は得意気だ。
結局、一万円とちょっとを余らせて、景品を全種類獲得することに成功。
目立ちはしたが、思っていたよりもつまらなかった。
「これ、全部あげるよ」
私は景品の入った袋を差し出して言った。
元から景品が欲しくてやったわけではない。
「え、マジ?」
「まあ、取ったのほとんど疋田だし」
「それもそうか。サンキュー!」
こういうときも、遠慮を知らず、頭の悪い疋田であれば、無駄に時間を使って説得する必要がない。
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