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そういった日々が続いたある日、その変わった客が店にやってきて、私に言ったのだ。
「だんだん、あなたのことが理解できてきた気がするんです。
あなたは自分の価値観や考えに自信を持っていて、周りに流されない、独立した考えを持っています。
でも、それを他の人に見せびらかそうとはしませんよね。
けっこう、自分の考え方を持ってる人って、それを周りに主張するじゃないですか。
でも、あなたはどうも違う。
それは、自分だけがその感情を独占したいからでしょうか。
それとも、あなたの考え方のレベルを、誰かが理解してしまうことが怖いのでしょうか」
突然だ。
突然、この人はこんなことを言ってきたのだ。
やはり変わっている。
だが、問題はもうそのレベルに留まってはいない。
私が、理解されてしまった。
全てではないとしても、その時言われた言葉で察した。
この人は、今までの誰よりも、私のことを理解してしまった。
気味が悪い。
たった数週間、本を勧め続けて、少し話しただけなのに。
気味が悪い。
気味が悪い。
気味が悪い。
出し抜かなければ。
この人に、私を理解できなくさせなければ。
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