日記 3

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どうすれば、あの人に理解されないことができるか、必死に考えた。 しかし、いくら金を無駄に使っても、あの人には見破られてしまう。 そんな気がしたのだ。 もっと、人間心理からかけ離れたことをしなければ。   ここから先に書くことは、少し先の未来のことだが、必ず実行すると決めているし、今までせっかく過去形で書いていたのだから、このまま過去形の文で書くことにする。 私は、この文を書きあげると、これを持って、バイト先の古本屋へ向かった。 上がり慣れた階段の先の、二階の隅にある小説コーナー。 そこで、私は書き上げたこの文章を、あの悪趣味な心理学の本とどう見てもつまらないスプラッターものの小説の間に挿し入れた。 私自身、何故こんなことをするのか、理解できていない。 ただ、自分でさえ理解できない行動を起こしている自分が好きだったりする。 そんな気持ちを持つことは、おかしなことだろうか。 おかしいと思ってもらえたら、それはそれで嬉しいことだ。
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