日記 3

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私は、急いで自宅に帰ると、玄関の鍵を開けたままにし、窓を開けて、自分の口にしっかりとガムテープを貼った。 ナイフを握ってからは、何も躊躇は無かった。 ゲームセンターで、一人でUFOキャッチャーさえ出来なかったくせにと笑いたくなるが、握り締めたナイフの刃は、何だか自分の意志よりも早く、脚へと吸い込まれていった気がした。 当然だが、強烈に痛かった。 正直に書くと、これは未来のことを書いているからどれだけ痛かったのかは解らないのだが、間違いなく痛かったことだろうと思う。 それでも、私は自分のことを刺し続けたのだ。 あの人に理解されないために、自分を刺し続けたのだ。 世の中の誰一人として、こんな私を理解できないだろう。 幸せだ。 警察は、これほどまでに苦痛の生じる自殺など出来やしないと判断して、殺人事件として調査するに違いない。 私は、誰にも理解されないのだ。 誰にも。 私、西澤楓は死んだ。 誰にも理解されずに、死んだ。
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