日記 2

2/11
前へ
/26ページ
次へ
話が変わるが、一時期色々なバイトをしていた。 特にやりたいことが無かったから、時間を埋めるためにバイトをしていたようなものだが、いつかやりたいことが決まって、それにお金が必要だった場合のために、一応貯めておくことにしたのだ。 ファーストフード店でバイトをすることにした。 仕事だと割り切って、普通のバイトを選んだのだが、やはり私には合わないようだった。 何度も何度も似たような作業を延々と繰り返すだけで、仕事に慣れることは飽きることと同じだった。 あれなら今どきの知能の高いロボットでこなせそうだ。 何より、作れもしない笑顔を無料で提供し続けながら働いて、時給千円にも満たないとなれば、バイトに応募したときの自分の心境を疑いたくもなる。 笑顔代だけでも、時給千五百円は貰わなければ割に合わない。 ファーストフード店でのバイトはすぐに辞めて、塾講師をすることにした。 生徒二人に対して、塾講師一人の個別授業形式の塾だ。 これなら、時給千円は超えるし、単純作業の繰り返しは無いだろうと考えたわけだ。 勉強を教えることさえできれば、ファーストフード店のように必要以上の笑顔を振りまく必要はない。 ただ、これも想像以上につまらなかった。 生徒が問題を解いている間は何もせず、解き終わったら採点をする。 もし間違えた問題があれば、それを参考書の解説に書いてある通りに説明する。 それだけだ。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加