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話が変わるが、一時期色々なバイトをしていた。
特にやりたいことが無かったから、時間を埋めるためにバイトをしていたようなものだが、いつかやりたいことが決まって、それにお金が必要だった場合のために、一応貯めておくことにしたのだ。
ファーストフード店でバイトをすることにした。
仕事だと割り切って、普通のバイトを選んだのだが、やはり私には合わないようだった。
何度も何度も似たような作業を延々と繰り返すだけで、仕事に慣れることは飽きることと同じだった。
あれなら今どきの知能の高いロボットでこなせそうだ。
何より、作れもしない笑顔を無料で提供し続けながら働いて、時給千円にも満たないとなれば、バイトに応募したときの自分の心境を疑いたくもなる。
笑顔代だけでも、時給千五百円は貰わなければ割に合わない。
ファーストフード店でのバイトはすぐに辞めて、塾講師をすることにした。
生徒二人に対して、塾講師一人の個別授業形式の塾だ。
これなら、時給千円は超えるし、単純作業の繰り返しは無いだろうと考えたわけだ。
勉強を教えることさえできれば、ファーストフード店のように必要以上の笑顔を振りまく必要はない。
ただ、これも想像以上につまらなかった。
生徒が問題を解いている間は何もせず、解き終わったら採点をする。
もし間違えた問題があれば、それを参考書の解説に書いてある通りに説明する。
それだけだ。
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