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常務の息が耳元にかかるくらい顔が近くて。
一体、何が起きたか分からない。
「さて、何にお金を使ったかは想像できます。」
囁くように、穏やかな口調で耳元で言う。
「どうして?」
ゆっくりと、おびえて震えた言葉。
「そうでしょう?キミのような普通のOLが、大金を使うのは男と決まっているだろう。違うのか?」
「そ…それは。」
当たっているだけに、視線をそらすしかできない。
「男にでもダマされて、貢いだって所だな。」
フッと鼻で笑った。
「…。」
返す言葉が見つからない。
「まあ、磨けば何とかなるか。」
ため息と同時。
ムニュッとつかまれた感触が、私の左胸に感じる。
「えっ!?」
小さく悲鳴を上げた。
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