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カウンターに雑誌を差し出したのはアイツで、心無しか不機嫌に見える。
無関心な振りして目を合わさず事務的に対応する。
「520円です」
「…あの」
思いがけなく発せられた声に驚いて顔を見る。
「…はい?」
「聞きたいことがあるんですけど、時間取ってもらえませんか」
「8…時に、仕事終わるから、それからなら」
戸惑いながらそう告ると、黙って頷いた。
なんだなんだ
なんだこの展開
向こうから話しかけてきたことにかなり動揺していた。
それに、聞きたいことってやっぱり彼女のことだよな。
さっき口を滑らせたから…
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