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壁に凭れる事どれくらい経ったのだろうか。
ぼーっとしていた頭が冴えてきた。
酔いが醒めてきたって事かしら。
「まだそこに居るの?」
「醒めたか?」
「ええ、完全に醒めたわ」
「もう飲むな。わかったか?」
「…わかった」
トイレのドアが開けられると、真っ先に男を睨みつけた。
男は気にしていない様子でふっと小さく笑むと前を歩く。
どこまでも意地悪な男ね。
この男にデリカシーはないのかしら。
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