5人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな風に、まるで近所のスーパーにお菓子でも買いに行くかのような気軽さで、城崎さんは僕に云った。
正直言って、僕は怖い話の類が嫌いだ。
なぜか? 決まってる。怖いからだ。
読んだり聴いたりする時には、自分の隣に誰かがいるような気がするし、そんな時には決まって寒気が体にぞぞっと走る。
だって、実際にいるんだから。
なんだか良く分からない「モノ」が、いつの間にか隣にいる。
何をしてくる訳でもないが、なぜだか恐怖を感じる。
まあ――僕の話はともかく。
城崎さん。ああ、城崎さんだ。
地縛霊のお友達。
僕が彼女によって巻き込まれてしまった百物語。百の怪談話を語るお話は、まずこんな怪談から始まったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!