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ゆとside
22歳。職業は医者。ちなみに両親も医者。小さい頃から医者になれ、医者になれと言われ続け、20歳で医者になった。勿論コネで。
毎日毎日、患者を診察し続けた。
そんなある日だった。
「…なに、話って」
親父に呼び出され院長室へ向かうと、母さんもその部屋にいた。
俺は両親が嫌いだった。幼い頃から厳しく、遊びになんて連れて行ってもらった記憶もない。学校のテストで100点じゃないときは、頬を叩かれることだって珍しくなかった。
「…休憩終わるから早くして」
「お前は警院所に移動だ」
「は?」
「お前が選ばれてしまった」
「…そ」
母さんが泣いていた気がしたけど、俺は短く返事をして院長室を出た。
警院所。20~25歳の新米医師の数千人の中から絞られ、選ばれるのはたった一人。
噂では、お偉いさんの息子の世話らしいが、その業務は辛く、そこに飛ばされてから生きて帰って来た人はいないらしい。
「死ぬのかな…俺」
別に怖くない。寧ろ、この両親の檻の中の様な病院から抜け出せる方が嬉しかった。
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