イチ

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大きな建物。今日から俺は、ここで働くのか。 そしてここに暮らすことになって、それなりの荷物を持って来た。 知ってるんだ。親父がここに俺を送ったことくらい。あんなの、黙っていればバレることなんてないんだ。結局あの病院に、俺はいらなかったってこと。 ここで殺されるのか、それとも何処かに連れて行かれて殺されるのか。ま、殺されるなんて噂でしかないけれど。 建物に入ると郵送で送られてきた暗証番号を押した。顔を向けてください、と機械から音がしてそちらを向くと緑の光と共に認証しました、と声がした。顔認証… 関係者以外誰も入るなってか。 ガチャンと大きな音がして、分厚い扉が開かれた。
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