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「ゆうりくんはいつからここに?」
「…ごねんまえの、じゅうごさいのとき…」
今、二十歳なんだ…
「どうしてぼくがここにいるか…きいた…?」
俺が首を振ると彼は笑った。
「…ぼくはおかあさんを、おそったんだ」
「襲う?」
「…ぼくはなにもやってない…そういったんだ…そしたらね、おとうさんはいった…おまえのからだには、おまえいがいのひとがいるって…そしてぼくは、ここにとじこめられた…」
僕以外の人、説明するよ。そう言った彼は、酸素マスクを外してベッドから起き上がり、一つの扉の前に立った。
「ここのへやのぼくのなまえはゆう…たくさんの人をころしたのは、たぶんここのぼく…ぼくがここにいるとき…きみははいらないほうがいい…」
ごほっごほっと咳をした彼は、違うドアに向かった。
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