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―――
指輪に刻んだ、俺の想い・・・。
『I love you much.』
本当に、大好きだった。
だけどこの想いは、一方通行でしかない。
美波の乗った新幹線は最終便。
岡山に向かった後は、もう戻ってこないのだ。
俺の想いも、それと同じ・・・。
無理矢理気持ちは伝えたけど、きっともう、彼女の返答を聞く事はできないのだろう。
こんな不甲斐なくカッコ悪いままの俺に、美波はどういう答えを出すのだろうか・・・。
そんな事を考えながら、新幹線の駅を後にする。
さっき美波と待ち合わせたカフェの前を通った時、俺の上空を見慣れない光の物体が突き抜けていく様子が目に入った。
「・・・花火か?」
首を傾げ、その光を凝視する。
空高く飛んでいくその光はどんどん小さくなり、やがて消えてなくなってしまった。
「変なの・・・。」
夢でも見ているのだろうか。
もしそうであるならば、早く現実に戻りたい。
こんなに後悔するのなら、ちゃんと言葉にすれば良かった・・・。
夢から覚めたら、もうこんなヘマはしない。
次は絶対に、自分の口から伝えるんだ。
「ずっと好きだったよ」・・・って。
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