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人質の件を話すと、春原隆吉はごもっともです、と受け入れた。そして即座にひとりの娘をつれてきた。
「義清様、これは私の娘の”おふじ”です」
おふじの顔立ちが意外に綺麗なので当惑した。
(隆吉の顔とは似ても似つかぬな……)
しかし、そういう些細なことをせんさくする男ではなかった。
「おぬしのことは疑っておらぬが、あらぬ噂がたっては仕方ないからな」
と、ぬくもりのある声で言った。
そこには、おふじを怖がらせては可哀想だ、との配慮もあった。
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