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   義清の春原兄弟にたいする信頼は、ちょっと異常だった。    噂が流れる。 『殿が春原兄弟を出世させるのは、おふじを溺愛しているからだ』  それは事実だった。義清はおふじを我が子のように可愛がりはじめていた。  これはまずい、と思った光氏は、たびたび諫言している。    はじめは耳をかたむけていた義清も、 「春原兄弟は戦地で手柄をあげている。あれが、真田の手のものであろうか? いや、仮にそうだとしよう。真田が送り込んだのならば、俺が感服させて取り込めばいい」  と、返答するようになった。
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