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天文１７年――
上田原にて武田と対陣した。
死者の数では村上の損害が多かった。しかし、武田の大敗と呼ぶべき結果だった。武田家の宿将、板垣、甘利などが戦死している。
ここでも、春原兄弟は戦功をあげた。
春原兄弟に恩賞をあたえるとき、義清が言った。
「我が家には、まだおまえたちを疑うものもいる。しかし、俺は信用している。だから、さきの戦では側においていたのだ」
列座して聴いていた光氏は、いらぬことを申して……、と落胆した。
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