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ある噂が耳に入った。
『清野、寺尾が武田に降ったのは、真田の調略である』
それまで真田をおそれていなかった義清はゾッとした。
もしかしたら、真田は俺が思っているよりも切れ者では……、と。
義清はすぐに隆吉を呼んだ。
「――という噂なのだ。真田を始末しなければならぬぞ」
隆吉は頷いた。
「その噂は誇張されてますが、真田を始末せよ、というならば、是非この私に任せてください。積年の恨みをはらしてみせます」
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