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「いえ、あの二人は真田が当家に送り込んだものでした。謀られていたのです」
それでも義清は、嘘であってほしい、と願った。おふじの存在が気にかかっていたのである。
楽岩寺光氏は、おふじを処刑するべき、と主張した。
しかし、義清は黙ったまま、物憂げな瞳で光氏を見るのみだった。
楽岩寺は呆れた。そして配下の者に命じて、おふじを坂木の館の前に連れ出させた。むろん、義清に隠して。
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