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「光氏! 貴様許さぬぞ!」  義清は立ち上がる。 「殿、この私は死を覚悟しておりました。今から真田の城に攻め、死んでやりましょう。しかし、殿のその怒りは、私ではなく、信濃の民を苦しめる武田と、その武田を止められなかった己に向けよ!」  息は荒いが、言葉を失っている義清。 「私はこの一戦で死ぬでしょう。ですから、義清様、これからは長尾を頼りなさい。あの男ならば、義にあつい」  最後にそう告げて、光氏は手勢を率いて岩尾にむかった。そして、滅んだ。  
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