Not alone

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 その後、彼は結婚した。スピード婚すぎて引いた。  本当は……本当に愛した人だったから、つらくなかったと言えば嘘になる。  故郷に帰ると、友達は優しく迎えてくれた。  これからだと前向きに思えるまで心身共に回復した頃、新しい職場も見付かった。  決別の意を込め、もらった指輪を捨てる。 「太陽みたいに明るく、笑顔で頑張ろう」  それなのにあの隕石、お兄ちゃんが崇拝する落ち目の元カリスマ芸人が名付けたとかなんとか都市伝説にもなった『幸運の星(ラッキースター)』が、地球を破壊するって、もう確定ですって、皆さん死んじゃいますって言われたら。  我を失った友達が飛び、死んだ。何人も何人も。
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