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龍「俺から母さんを奪った……それも、あんなやり方で母さんを殺したあいつを、俺は絶対に許しはしない。……見ていてくれ、母さんの仇は俺が取る。」
言うべきことは全て言った
きっと母さんが生きていたら、復讐に生きる俺を止めるだろう
だが、それでも………
龍は母の墓に背を向け、元来た道を歩き出す
そのとき、突如吹いた強烈な風が月華の花弁を散らした
月の光に反応して青く光るその花弁が造り出す光景は幻想的で
しかし、まるで泣いているかのような、そんな儚い美しさを持つ風景も龍の目には映らない
――――いってらっしゃい
微かに響いた泣き声は、そのまま誰の耳に届くことなく、月の明かりに融けていった―――
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