第一章 始まり

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~生い立ち~ 私が生まれたのは、冬の夜。 三日間かけたがなかなか生まれず、私は帝王切開で生まれた。 取り上げたのは、男の先生。 うわぁッと驚いた声は、今でも覚えている。 だって、髪は、漆黒(シッコク)で、肌は白く、目は、紅(アカ)かったから……。 病院の先生は、一応検査はしたが、異常はとくになかった。 只今(タダ)、対面する時、「驚かないで下さい」と真剣に言うと不安そうにこちらを見ている両親。 そしてついに、私は、両親と会った。 よちよちしながら、先生の元に近寄る。 だが、両親は、愕然と「その子は?」と病院の先生に、聞いてしまう。 不意に気まずそうにしながらも「貴女方のお子さんです。」と言い切る。 母「えッ!…………なんで目が……」 先「いいえ……目は、元々紅かったです。それに……」と言って目線を子供に移す。 両親も、目線を移した。 病院の先生は、私に、喋っていいよっと言われ。 私は、こくりと頷き。 まだ喋るのになれてない私だが、小声で「……お…かぁ…さ…ん」と笑みを浮かべて言う。 ヒッ!と声を漏らし恐怖の顔の母。 母「いや!!………先生!!……誰この子!……私の子供を返して!」と怒鳴り散らす。 パニックになる母。 けれど、先生は、首を横に振る。 母は、私を見て「バケモノ!」と叫んだ。父も、同じように、私を変なものでも見るような目をしていた。 我が子なのにと思いながらも口に出さず先生は「一旦、帰ってください……」と言って、父と母を帰した。 だが、私が、ずっと此処にいるわけにはいかず。コンタクトをして。 両親に、育てられる事となったけれど、家では、バケモノと呼ばれ、蹴られたり叩かれたりした 。 時には髪の毛をバッサリと切られたこともある。 それが七年も続いた。 時には……誰かに……聞きたくなる……。 私は、バケモノなの?かと……。
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