第4話

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「早く会いたい…」 遙人は言った。 何度も深呼吸して、 何度も躊躇して、 かけた電話。 声を聞くと、涙が出そう… 心臓を押さえ、 意を決して、 言葉を吐く。 「好きな人が出来たの。 だから、もう遙人とはお終い。 ごめんね? 楽しかったわ。」 「澪…? もしもし…」 もうこれ以上は話せない。 そっと、切った。 深夜1時。 窓の外に救急車の音。 寒いけど、 ベランダの窓を開けて、 外に出た… 凍らせた私の心が、 溶けてしまいそうだったから。 もう永遠に… この気持ちは溶かしちゃいけない。 この子だけを見つめて、 生きていくと決めたから…
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