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地上二階、地下一階、ドでかい中庭と無駄に広い豪邸、それでも有り余る金でいいもん食って、そして一応オレみたいなのまで……
他に何を望むんだ?
他の奴が望んでも、手に入らないほどの富と名声もあるのに…
人間って変なの…?
作家なんてもん、もうしなくていいのに。
卵を割る手に力が入った。
入り過ぎて、黄身が潰れたけど、気にしなかった。
オリーブオイルで、ベーコンと炒めれば、関係ない。
そう思いながら、キッチンの入り口に目をやった。
唯でさえも聞こえ過ぎる耳に、大きな足音が五月蠅かったからだ。
起きてくるのはいいが、もっと何とかならないものか……
それよりもっと五月蠅いことが、次に待っている。
入り口が開け放たれ、近所迷惑な、近所なんていないけど、声が響き渡る。
「ゆうちゃんっ、聞いて! 敷布団が消えた!!」
この女、本気で頭がおかしい。
オレは、ベーコン入りのスクランブルエッグを皿に盛った。
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