第一章 「何か重なる日だっ!!」

2/149
1464人が本棚に入れています
本棚に追加
/1189ページ
  Ⅰ.登校の後  それは、五月始めの連休明け二日目に起きた。  青い空が広がる。暑すぎもせず、寒すぎもせず、何て天気のいい朝だ。  だが、俺の目覚めがよかった訳ではない。  俺はアクビをして、いまだ目覚めきっていない(まなこ)に涙など浮かべながら登校した。  昇降口でいつも通り上履きを取り出そうと下駄箱の扉を開けると、上履きの上に何かが置かれていることに気づいた。 「はぁ?」  その物体は、一見危険物ではなさそうだ。だが油断はできない。よーく観察をしてみよう。  形状は、縦九十八ミリ、横百四十八ミリくらいの長方形で厚さは一ミリ程度か。色は淡いピンクである。材質は見た目の質感から紙のようだ。
/1189ページ

最初のコメントを投稿しよう!