1464人が本棚に入れています
本棚に追加
/1189ページ
Ⅰ.登校の後
それは、五月始めの連休明け二日目に起きた。
青い空が広がる。暑すぎもせず、寒すぎもせず、何て天気のいい朝だ。
だが、俺の目覚めがよかった訳ではない。
俺はアクビをして、いまだ目覚めきっていない眼に涙など浮かべながら登校した。
昇降口でいつも通り上履きを取り出そうと下駄箱の扉を開けると、上履きの上に何かが置かれていることに気づいた。
「はぁ?」
その物体は、一見危険物ではなさそうだ。だが油断はできない。よーく観察をしてみよう。
形状は、縦九十八ミリ、横百四十八ミリくらいの長方形で厚さは一ミリ程度か。色は淡いピンクである。材質は見た目の質感から紙のようだ。
最初のコメントを投稿しよう!