第二章

19/19
227人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
ー…、ほら、これ付けてみ?全然印象変わるやろ…? それと、その真っ黒な髪も、……そうやな、ほなこっちは逆に、もういっそ金髪位にしてまうか…… ー…っ、ぅわぁぁーっっっ!!”俺”じゃないみたいっ!!全然”別人”やぁ~!!… ー…、これやったら、”周り”がお前とはよう気付かれへんやろ………例え、誰かが捜しに来たとしても…… ー…、っ、ありがと、ーー…… ……あんな、俺、ほんまは、…… ほんまの”名前”は………… ー… ”ブルー” ー……、……え? ー……今日からお前は”ブルー”や、”過去”がどないやったかなんて、そんなん、どうでもえぇ……そんなもん、ブチ壊してまえ… ……何があっても、 お前の事は、………俺が守るから… そう言って、”彼”が与えてくれた”名前”を、気付けば、誰より呼んでいたのは、 ーーーー今、目の前に居る、彼やった。 ー…俺は、ブルーの側から、離れへん……… 大きな身体に似合わず、気が弱くてビビリでヘタレ、……………せやけど、誰より温かい心の持ち主なんやって、初めて会った瞬間、すぐに分かった。 「…、………大丈夫、”ひーろー”は、きっと無事で居るよ…… それに、俺やって、そない弱くない……… ………せやから、 もう、泣かないで…………」 優しく触れてくれる手から、指から、………………唇から。彼の”想い”が伝わって来て、………だから、余計に泣けて来る。 「…なぁブルー、一緒にバースデーケーキ、食べてくれる…? ”誕生日おめでとう”、て、 一番最初に、言うてくれる……?」 ……やって、”彼”、………………緋色、は、俺の事を、助けてくれて、守ってくれて、……俺も、緋色の事が、誰より大切で、………大切な、ハズで。 ……それやのに、俺は、 この、大きくて温かい腕に包まれていたい、 ずっと、この人の側居りたい、て、 そう思ってしまったんや……… .
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!