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辺りは荒れ果てていた。
木は薙ぎ倒され、物々は砕かれ、建物はまるで竜巻が通った後かのようにボロボロになり、地面はまるで巨大な戦車が通ったかのように抉れ、その中央にはまるで爆弾でも落とされたかのような巨大な大穴が空いていた。まるで戦争の直後のような光景だ。
しかし現実には戦争は起こっていない。正確に言うなればたった一勢力のみの一方的な攻撃しか行われていない。その一勢力とは?
「(ザリッ)」
大穴から、その大穴からは不釣り合いなほどに小さな体の男が登ってきた。
辺りを見渡す。先ほど言った景色の中にポツポツと青い炎が上がる。それも1つや2つではない。数だけで言えば優に30を超えている。
その青い炎を見て男は誰に言うでもなく、小さく呟いた。
「 」
ああ、また怒ってしまったんだ
と。
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