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ここは、青臨町。
時期は春だが、気候が暖かい町であり、
陽気は初夏の気候だ。
陽気穏やかな町に暮らす少年・大和猟滋。
この町の学園に通う高校2年生だ。
もうすぐ登校時間と言うのに、今でも部屋で眠りこけている。
そんな猟滋の部屋に、はたパタパタとスリッパで階段をかけ上がる音が聞こえてきた。
「リョウジ!ほら、いつまで寝てるの?今日から学校新学期でしょ?早く起きてよ。」
今部屋にやって来たこの女性は沙織。
猟滋の1つ上の姉で、同じ学園に通う高校3年生である。
ちなみに、彼らは父親が現在海外主張中、母親とは5年前に死別していて、現在二人暮らししている。
「ほら、リョウジ起きてよ。」
「今日は学校行かない…。めんどくさいから…。」
「そんなワガママ通用するわけないでしょ!?早く起きないと承知しないわよ!?」
無精な猟滋の布団をひっぺ返そうとするも、 猟滋の抵抗も休まらない。
「あぁもう!うるさいなぁ姉貴は!いいじゃないか今日は始業式だけなんだからぁ!」
「そうは行かないの!あんたも今日から人間2年生なんだからしっかりしなさい!!」
不毛な争いがしばらく続くと…
ムニュ!
「ん?なんだ?この柔らかい感触は?」
抵抗する猟滋の手に、何とも言えぬ柔らかい感触があった。
「りょ、リョウジ~!」
「(ま、まさか…。)」
姉のただならぬ圧力を感じた猟滋は、恐る恐る感触の先を確認すると、手は沙織の胸をしっかりと握りしめていた。
「あれまぁ…。」
「『あれまぁ…』じゃないわよ!!このバカ弟!!」
バキッ!!!!
怒りが頂点に達した沙織の鉄拳制裁は、猟滋の眼を、クリーンヒットで捉えた。
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