0人が本棚に入れています
本棚に追加
ちなみにくまさんというのは、確かそろそろアラフォーだったかな、まぁそれくらいのおっさんのこと。先輩--大宮先輩の、叔父にあたる人だ。
人当たりが良くて、誰とでもすぐ仲良くなれる良いおっさんなんだけど、彼の職業が、少し特殊で。
「少しというより、かなり変だな、あれは。果たして職業と言って良いんだろうか」
「うーん、微妙ですけど、本人が言ってるし、良いでしょ」
「にしても、旅人は、なあ……」
先輩が同意を求めるようにこっちを見る。
……確かにそうは思うけども、一応お金も貰ってるみたいだし……。
釈然としないが、うん、さっきも言った通り、彼は旅人である。
詳しい活動は知らないけど、とにかく旅をしているそうだ。それが仕事になっているのかはさておき、それでお金をもらっている。
ちなみに、くま、というのはあだ名で、本名は……む。
「先輩。失礼な話なんですけど、くまさんって、本名なんでしたっけ?」
「え?本名?……あれ、よく考えたら私も知らない」
「あら、マジっすか」
「私の叔父だから、名字は大宮のはず……うーん、出てこないな」
最初のコメントを投稿しよう!