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「まったくこの子は…そんなんでちゃんと仕事できてんの?」
「仕事と言っても、魔物討伐や護衛がほとんどだからな」
「護衛の人に失礼なことしてないでしょうね」
「心配しなくても、仕事の時はちゃんとしてるよ」
それを聞いて安心したのか、そう、とだけ言いカップに注がれていたお茶を飲ん
だ。
「んで、今回の仕事はどんなだったの?」
レーナは今日までやってきた仕事のことを聞いてきた。
「んとな…ごへいのひごとだほ」
「口に物入れたまま喋らない!」
また叱られてしまったアルスは口の中のものを飲み込んだ。
「ふー、護衛の仕事だよ、首都の偉い人を目的地まで連れてったんだ。
そんで帰りついでにできそうな魔物討伐の依頼もこなしてきた」
「どこまで行って来たの?」
「船に乗って隣の大陸まで行って来た。
砂漠の大陸っと言うだけあって暑かったな」
「船に乗ったの!通りで帰りが遅いわけね」
(首都にもいなかったわけだ)
レーナはニ週間前に仕事に行ってから帰ってこないアルスを心配していたのだ。
なんせ、アルスには内緒にしてお忍びで首都まで探しに行ったほどだった。
でも、まだ仕事の最中だよと言われてしまい、そのまま帰ってしまった。
そんなことをしていたのはもちろんアルスには内緒だ。
それ以降も食事をしながらアルスはレーナに今回の仕事の話をしていた。港町までの道中で魔物が襲い掛かってきたときの話、海が大しけで船で酔ってしまった話などいろいろ話して、二人で盛り上がっていた。
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