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そんな時、夜遅いにも関わらず外から人の声が聞こえた。
「なんだ」
「またか、これで今週何回目だ?」
外がやけに騒がしかった。
ドンドンドン
すると家のドアから物騒にノックが聞こえた。
誰かが訪ねてきたのだろうか、レーナは食事の手を休めて箸を置き、ドアを開けた。するとけが人を担いでやってきた村の人が立っていた。
「レーナさん、また被害が出た、こいつの治療を頼む」
「またぁ、これで何件目よ?もう~私は医者じゃないのに」
レーナはそう愚痴を言うと、けが人をベットに運ぶように村人に指示した。
アルスも何事かと思い、食事の手を止め、レーナの元にやってきた。
「母さん、何があったん…!?」
アルスが見たのはベットに横たわっている二十代前半くらいの旅人だった。旅人は全身あちこちにけがをしており、息も荒い、辛そうだが命に別状はなさそうだ。
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