陽と月

プロローグ

ここはテル・ミュース、魔法と魔物が存在する世界。

今から遡ること数千年前、魔物と呼ばれる生物が現れ、人々を襲った。

人々は魔物に対抗すべく魔法と呼ばれるものを作り出した。
はるか昔から存在していた魔力と呼ばれる体に宿る強大な力を、イメージすることによって操り、言葉を説いて具現化させた。

魔法は非常に便利で、生活を豊かなものにしてきた。しかしその反面で非常に危険なものでもある。魔法を悪事に使うものが続出したのだ。人々は魔法を戦争に使い始めたのだ。

引き裂かれた身体、飛び交う炎、えぐれた大地、――――醜い戦争は多くの人間が命を落とし、大地が枯れ果てた。

長い戦争の果てに、世界は２つの国に分かれた。

一つは主に北を領土とする「ノヴィアス」、もう一つは主に南を領土とする「アノール」

それぞれ価値観や文化が異なる２つの国は、昔は協力しあった関係であったが、今は互いに反発しあっている。

そして二つの国のどちらにも属さない未開の地、その名も「アナザーグラウンド」

このアナザーグラウンドは、魔物の巣窟となっており、人は住んでいないと伝えられている。なぜ魔物の巣になっているのか、この未開の地には何があるのか、それは誰にもわからない。