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外はすっかり暗くなっていた。
くるっくー
村近くの森からフクロウであろう、鳴き声が村まで聞こえてきた。
トントントントン…
家のキッチンで食材を切る音がする。レーナがエプロンを着用し夕飯の準備をしていた。
アルスはというと自室のベットで寝ていた。
「アルス―、御飯よー」
夕飯の準備が終わりアルスを呼ぶが返事がない、
「しょうがない、起こしてやるか」
レーナはアルスの部屋に向かった。
部屋に入るとすぐにレーナはアルスが寝ているベット目掛けてダイブした。
「えい!」
レーナのダイブは見事にアルスの腹部に直撃した。
「んぐ!?」
あまりもの衝撃によりアルスは一気に目を覚ました。
「やっと起きたわね」
レーナはアルスが起きることを確認すると布団から離れた。
「もっとマシな起こし方しろよ、あ~」
アルスは痛みを感じた腹をさすると、頭をボリボリかきながら眠たそうに言っ
た。
「呼んでも起きないからよ、ご飯出来たから早く来る!」
「おやすみ~」
アルスはよほど眠いのだろうか、レーナに構わず寝ようとしたが、
「……もう一回、してあげようか…」
レーナは獲物を見つけた狩人のような目つきでそう答えた。
「よ、よーし久々の母さんのご飯楽しみだなー」
アルスは悪寒を感じてすぐにベットから飛び起きた。
よほど痛かったのか、アルスはもうあれを受けたくないらしい。
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