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しかし、カインは優しい子供だった、クレアの遊びを断ることもせず、例え本を読んでいたとしても、誘われたら必ず付き合って遊んだ
母親はそんな双子を笑顔で見守り、寝る前には絵本を読んで聞かせていた
カインはその時間が大好きで、沢山の本を読み、それを母親に褒められるのも好きだった
父親はあまり接してはこないが、いつも貴族の誇りを大切にしている大きな背中がカインは好きで、子供ながらに父のようになりたいと感じていた
しかし
この幸せな家族は突然壊れることになる
貴族の子供は、三歳になると魔力と属性を調べる
カイン、クレア……三歳
クレア「お兄ちゃま、魔力を測定するのよ!楽しみねー!」
カイン「うん!測定したら魔法の勉強も始まるし、強くなってクレアを守ってあげる!」
双子は楽しみで仕方ない様子
そんな双子を微笑みながら見つめる両親
「さぁ、どちらから測る?」
父親が双子に尋ね、まずはクレアから測ることに…
クレアが父親に渡された水晶に手を当てると、水晶は仄かに光る
「なっ!?二千!?凄いぞクレア!」
三歳の平均は三百から五百程度、クレアは倍以上の魔力を持っていることになる
そして、属性を測る水晶に触れると、真っ白になった
「光だな!流石シャイン家の子供だ、父さんは誇らしいぞ!さぁ次はカインの番だ、期待しているぞ」
カインは緊張の面持ちで、水晶に触れた
カイン「………え?」
水晶は何の反応も示さない
「まさか、魔力無しだと!?そんな、シャイン家から落ちこぼれが出たなんて知られるわけにはいかない!こいつを始末しろ!」
カインは耳を疑った
父親は、魔力が無いだけでカインを殺そうとしているのだ
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