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「あなた!?そんな、やめてください!私たちの子供なのよ!?」
母親は父親に必死に訴えた
「……わかった、殺しはしない………だがお前はもはや私の子ではない!誰か!このでき損ないを地下に閉じ込めておけ!!」
命は助かったカイン
しかし、この時から死んでいたほうがマシだと思うほどの地獄が始まった
地下にある牢に入れられたカイン、粗末な布とトイレがあるだけで、石造りの暗い場所だ
食事は日に一回か二回ほどになり、それも明らかに残飯だと思われるようなものだった
食事を運んでくる使用人以外は誰も来ず、暗く冷たい石床の上に踞り、何故こうなったのかひたすらに考えていた
そして時がたつにつれ、時々人がやってくるようになった
カインと話すためではない、カインで鬱憤を晴らすためにだ
ひたすら殴られ、ひたすら蹴られ
傷の治らないうちに新たな傷が増えていく毎日
カインの頭の中は疑問に満ちていた
何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故
何故、自分はこのような仕打ちを受けなければならないのか
しかもだ、使用人が居なくなったあと、牢の暗さより黒い球体がカインを取り囲む
そして、使用人に与えられていた痛みより更に数倍強烈な痛みを与えてくるのだ
その痛みでカインは気絶し、一日を終える
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