これが始まりです

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俺は子供の前に姿を現す 子供は驚いたようだが、体を起こせないので俺の足元くらいしか見えてないだろう 「生きたいか?」 わかってはいたが、きいてみた 「いき…たい…」 おい、さっきまで殺す殺す言ってたのに何故そんな死にそうな声………………………………あ、ガチで死にかけだ さっきのは憎しみに支配されて体の限界を無視していただけのようだな 面白い 「良いだろう、助けてやる………暫し安らかな眠りにつけ……危険なことは何もない、俺がお前を守ってやろう」 魔王なのに人間を守るとは可笑しな話だが、子供は安心したように……………………体の限界を迎えて気絶した 俺は握れば折れてしまいそうな体を気を付けながら抱き上げ、城に転移した 城に帰ると、誰も居ない場所を選んで移動し、まずはこの子供を風呂に入れてやることにした 果てしなく汚いからな ただ、気絶しているので俺が抱えたまま風呂に入れてやる 服とも言えないボロ布を剥ぎ取ると、魔族でも目を反らしたくなるほどの傷痕 所々中途半端に治癒されているから、瘡蓋の上から更に傷が出来て醜いことになっていた 「これは酷いな…」 俺が使える治癒魔法で最高のものを使い、綺麗に傷を治した ただ、古いものは傷痕になってしまっていたので、マシだとはいえ小さな子供の体には不釣り合いなものが残ってしまった ここまでするとは、人間とは心底醜い生き物なのだな… この子供から魔力を感じないので魔力無しとして虐待を受けていたのだろう 子供にかかっている封印も見抜けないなんて、愚かだな
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