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いつものように学校へ登校すると、下駄箱にあるはずの上履きがなぜか無かった。
まさか、あいつ?
俺は教室へ駆けつけた。
「おい」
足払い女に声をかける。
「何?」
「上履き隠したわね?」
「私、何もやってないわよ」
俺は足払い女の胸ぐらを掴んで睨め付けた。
「放しなさいよ!」
突き放す俺。
足払い女は椅子ごとひっくり返った。
「痛! 何すんのよ!? 先生に言うからね!」
足払い女が逃げるように駆けていった。
それから暫くして、俺は校内放送で職員室へ呼び出された。
「坂上、上田に暴力を振るったというのは本当か?」
「あいつが悪いんです、私の上履き隠すから」
「上履き?」
教師が俺の足下を見た。
「あいつが隠したという証拠はあるのか?」
「あいつは昨日、トイレで水をかけてきました。上履きだって十中八九あいつの仕業です」
「迂闊に決めるな! お前のそのやり方があいつを傷つけたんだ。お前だっていきなり上履きを隠した犯人だと言われてみろ。その時、お前ならどうする?」
「……迂闊でした」
「分かったら謝ってくるんだ」
俺は教室へ戻り、足払い女、元い上田に声をかけた。
「上田さん、さっきはごめんね」
「分かればいいのよ」
「で、上履きはどこ?」
「知らないわよ。もう一度よく下駄箱探したら?」
俺は下駄箱へ移動した。
聡美の上履きは聡美の下足入れにちゃんと入っていた。
俺は上履きを履き、教室に戻って席に着いた。
チャイムが鳴り、担任が入ってくる。
「ホームルーム始めるぞー。と、その前に出席確認だ」
教師が出席を取り、全員登校していることが分かると、いつものくだらない話をし、教室を出て行く。
一限は体育だ。
俺はジャージに着替え、皆と一緒に体育館へ向かう。
上田たちはいない。
チャイムが鳴ると、体育教師がやってくる。
「皆いるか?」
「上田さんたちがいません」
「あいつらか。放っとけ。それじゃあ始めるぞ」
今日は男女合同でバスケットボールをやるそうだ。
男女六人五チームに別れ、交代制の試合が始まる。
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