第04話:ボディガード

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 あれ以来、上田達の虐めは無くなった。  そして、私はクラス内で番長と呼ばれるようになった。  あまりいい響きではないが、やってしまったのだから仕方がない。 「番長」  声をかけてきたのは美香だった。 「番長はやめて。何か用?」 「あのさ、聡美が女の子に告白されたみたいなの」 「俺の次は聡美か。人気者は(つら)いね」 「それでさ、聡美もまんざらではないみたいなの。私、どうしたらいいの?」 「そんな事、俺に訊かれても……」 「元に戻った時にどうしてくれるの?」 「ああ、その件なんだけど、聡美の奴戻りたくないって。何か、男子の体が気に入ったみたいよ」 「そうなの?」 「うん」 「聡はそれでいいの?」 「聡美がいいって言うんだから仕方がない」 「……そっか。じゃあ、聡は聡美として生きてくのね?」 「そうなるわね」 「そっか」  美香は自分の席に着く。  俺は机に突っ伏した。  見た目が俺の聡美に告白か。 「坂上さん」 「うん?」  声に振り向くと三崎がいた。 「今度、俺とデートしない?」 「遠慮しとくわ」  三崎は席に戻っていった。  ……。  …………。  ………………。  お昼休み、俺は食堂で一人食事をしていた。 「相席いい?」 「いいですよ」  男子生徒が向かい側に座る。  彼は先輩の加賀美(かがみ) (たける)。二枚目で成績優秀な加賀美コンツェルンのお坊ちゃまである。 「坂上さんだよね?」 「はい」 「聞いたよ。いじめっ子を()したんだってね」 「番長呼ばわりされてます」  俺は苦笑した。 「あのさ、お願いがあるんだけど、俺のボディガードになってくれない? 給料なら払うからさ」  それはいい仕事だ。 「いいですよ」  俺は即オッケーした。 「ありがとう。じゃあ、早速だけど、今日の放課後から頼むよ。それと、俺の事は健でいいからね」 「分かりました」  食べ終わった俺は食器を返却して教室へ向かう。
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