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放課後、俺は帰り支度をして加賀美先輩の教室を訪ねた。
「健さん、帰りませんか?」
「うん」
加賀美先輩が帰り支度をする。
「行こうか」
俺と加賀美先輩は学校を出た。
「俺さ、財閥の御曹司でしょ。だから、悪い奴に狙われるんだ」
「身代金目当ての誘拐犯とかにですか?」
「うん。いつも逃げてるから、真っ直ぐ帰れた試しがないんだ」
「そうなんですか。では、健さんのことは私が全力でお守りさせていただきます」
「頼もしいね」
コツコツ、後ろから足音。
俺は横目で後ろを見た。
黒いスーツ姿の男が二人。
「健さん、つけられてます」
「え!?」
「走って!」
加賀美先輩は駆け出した。
黒服の二人も走り出す。
「はっ!」
俺は黒服二人にラリアットをお見舞い。
「健さんに何の用よ?」
「お前には関係ない!」
俺は追いかけようとする二人の前に回り込んだ。
「俺達の邪魔をする気か?」
二人組が襲いかかってくる。
俺は二人組に回し蹴りした。
倒れる二人組。
「くっ……覚えてろよ!」
逃げていく二人組。
そこへ加賀美先輩が戻ってきた。
「強いね」
「武道習ってましたから」
「そうなんだ」
「今の、誘拐犯でしょうか」
「そうだと思う」
「まあいいわ。行きましょう」
俺は加賀美先輩を無事に家まで送り届けた。
「じゃあ、明日の朝も来ます」
「うん。じゃあね」
「さようなら」
加賀美先輩が家に入るのを見届けた俺は帰路に就いた。
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