第04話:ボディガード

3/3
前へ
/88ページ
次へ
 放課後、俺は帰り支度をして加賀美先輩の教室を訪ねた。 「健さん、帰りませんか?」 「うん」  加賀美先輩が帰り支度をする。 「行こうか」  俺と加賀美先輩は学校を出た。 「俺さ、財閥の御曹司でしょ。だから、悪い奴に狙われるんだ」 「身代金目当ての誘拐犯とかにですか?」 「うん。いつも逃げてるから、真っ直ぐ帰れた試しがないんだ」 「そうなんですか。では、健さんのことは私が全力でお守りさせていただきます」 「頼もしいね」  コツコツ、後ろから足音。  俺は横目で後ろを見た。  黒いスーツ姿の男が二人。 「健さん、つけられてます」 「え!?」 「走って!」  加賀美先輩は駆け出した。  黒服の二人も走り出す。 「はっ!」  俺は黒服二人にラリアットをお見舞い。 「健さんに何の用よ?」 「お前には関係ない!」  俺は追いかけようとする二人の前に回り込んだ。 「俺達の邪魔をする気か?」  二人組が襲いかかってくる。  俺は二人組に回し蹴りした。  倒れる二人組。 「くっ……覚えてろよ!」  逃げていく二人組。  そこへ加賀美先輩が戻ってきた。 「強いね」 「武道習ってましたから」 「そうなんだ」 「今の、誘拐犯でしょうか」 「そうだと思う」 「まあいいわ。行きましょう」  俺は加賀美先輩を無事に家まで送り届けた。 「じゃあ、明日の朝も来ます」 「うん。じゃあね」 「さようなら」  加賀美先輩が家に入るのを見届けた俺は帰路に就いた。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加