第05話:誘拐される

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「坂上さん、ごめん。こんな事になるんなら、君を雇わなければよかったね」 「いえ、気にしないで下さい」 「優しいんだね」 「取り敢えず、ここから逃げる方法を考えましょう」  俺は辺りを見渡したが、脱出に使えそうなものはなかった。 「健さん、刃物は……ないですよね」  その時、ロープが切れた。 「え?」  疑問に思った俺が加賀美先輩の手元を見ると、カッターナイフが握られていた。 「何でそんなもの持ってんですか?」 「護身用」 「銃刀法違反ですよ!」 「警察なんて金で黙らせられるよ」  億万長者め……。 「取り敢えず、逃げよう?」 「そうですね」  その時、男と二人組がやってきた。 「あ、てめえら!」  縄が切れていることに気付く三人。 「逃がさないからな」  男は手錠を取り出し、俺達を配管に繋いだ。 「これで逃げられまい」  三人は去っていく。  俺は空いている片手で携帯を取り出して警察に通報した。  やがて警察がやってきて、俺達は保護され、犯人も捕まった。  その後、俺は加賀美先輩を家まで無事に送り届けて帰路に就くのであった。
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