プロローグ

2/2
前へ
/88ページ
次へ
 地球時間での十五年前、地球より遥か遠くの、惑星テラ。  メタン星の首領、邪神マデラにより、テラは襲撃を受けた。  テラの王は、生まれたばかりの赤子を宇宙船に乗せる。 「なんとか()()びてくれよ、ロイド」  赤子を乗せた宇宙船はテラを飛び立った。  そこに邪神マデラと、その部下がやって来る。 「やれ」  マデラの部下が王に迫る。  王は圧倒的な力で部下をねじ伏せた。  王とマデラの一騎打ちが始まる。 「ふ!」  キン!  刀と刀がぶつかり合う。  グサ!  隙を突かれ、王はマデラに腹部を刺されてしまう。 「ぐふ!」  そこへ、テラの王宮執政官たちがやって来る。 「捕らえろ!」  執政官たちはマデラを捕らえる。  マデラは反撃しようとするが、多勢に無勢、お縄になってしまった。  呆気なく逮捕されたマデラは、処刑場で椅子に座らされ、電気ショックで殺害されてしまう。  その後、マデラに倒された王の葬儀が行われた。  王妃が喪主となりて、儀式を進めていく。  やがて、葬儀も終盤となり、王の亡骸(なきがら)は土葬された。 「お妃様」  と、一人の女性が言った。 「ロイドは、王に託したロイドはどうなったのでしょうか?」 「さあ? マデラが攻め入ってきたとき、王がどこかへ逃がすと仰っていましたが、どこに逃したかまでは聞いていません」 「ロイド……」  一方、その頃。  赤子を乗せた宇宙船は、ワープを繰り返し、ついには地球まで接近していた。  宇宙船は地球の大気圏に突入し、とある民家へと墜落するのだった。  物語は、これより始まる。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加