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放課後、俺は聡美と共に帰路に就いた。
「ねえ、聡。もう一回やってみようか?」
「何を?」
「階段から転げ落ちるの。もしかしたら戻れるかもしれないじゃない?」
「痛いからやだ」
「聡はこのまま戻れなくてもいいの?」
「それはいやだ。でも痛いのはいや」
「じゃあ、やろうよ」
「しょうがねえな」
アパートに着き、階段を上り、一緒に転げ落ちてみるが、戻ることは出来なかった。
「もう戻れないのかな……」
「聡美は戻りたいのか?」
「戻りたいに決まってるじゃん」
「そうか。それじゃあ、元に戻る方法を探そうぜ」
俺はそう言って階段を上り、部屋の鍵を開けて中に入った。
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