第02話:いじめ

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 授業が終わり、放課後を迎える。  尿意を催した俺はトイレへと駆け込み、個室へと入ると、真上から大量の水を被ってびしょ濡れになってしまった。 クスクス──外で数人の笑い声。  その中に足払い女の声が混じっていた。  なるほど、これが虐めか。すまん、聡美。  俺は取り敢えず用を足し、個室を出た。 「くちゅん!」  (くしゃみ)が出た。  トイレを出ると、足払い女とその取り巻きがいた。 「聡美、びしょ濡れじゃん。高校生にもなって水遊び?」  俺は足払い女を蹴飛ばす。  尻餅を着く足払い女。 「何すんのよ!」 「アンタが水をかけてくるからだろ!?」 「そんなことしてないわよ。ねえ?」  取り巻きに聞く足払い女。 「美佐子はそんなことしてないわよ」 「そもそも私たちには関係ないし。行こう?」  足払い女とその取り巻きは歩き去る。  俺は水の冷たさで体が震えた。  男子トイレから聡美が出て来る。 「ちょっと、アンタびしょ濡れじゃん! どうしたの!?」  俺は足払い女たちを指差した。 「あの不良どもが……」 「それっぽい感じだったけど、やっぱりそうなのか」 「取り敢えず、着替えなよ」 「うん」  俺は教室へ行き、ジャージを手に女子トイレに戻ってそれに着替えた。 「さっきの奴らフルボッコにしていいか?」 「それはアンタに任せる」 それより──と続ける聡美。「帰ろう?」 「うん」  俺は教室に行き、濡れた服を鞄に押し込み、聡美と共に学校を出て帰路に就いた。  帰宅途中、俺は銭湯の前で立ち止まった。 「寒いから一風呂浴びてくる」 「じゃあ先に帰ってるね」  聡美と別れ、銭湯に入店する。  番台で金を払い、風呂道具を借りて女子更衣室へ入る。  全裸になり、浴室へ。  やばい、みんな裸……。  女子風呂にいる客が全員裸で興奮しそうだったが、何とか抑え込んだ。  俺はシャワーの前で椅子に座り、温水をかけて体を濡らし、頭と体を洗って浴槽に浸かる。 「ふー……」  温かくて気持ちがいい。  五分後、俺は風呂を出て体を拭き、服を着て帰路に就くのだった。
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