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お店に入ったときは人すごかったけど
人が集まる売り場と、そうでもない売り場があって
コーヒーメーカーなんて、生活必需品なわけじゃないからあんまり見てる人はいなくて
でも
「すっげー…こんないっぱい種類あるんだ…」
「ほんとだな」
「せ…眞木さんはどんなのがいいの?」
「いや、コーヒー作れりゃいいくらいしか思ってなかった」
なんだよ、それ!
先生が欲しいって言ってんのにノープランすぎるだろ!
「先に言ってくれりゃオレだって調べてきたのに…」
「ごめんごめん。まぁほら、一緒に決めようよ」
そう言って、端から一つずつ見てみたけど
豆を挽いて淹れるのとか
ポーションで一杯ずつ淹れられるのとか
ほんとにいろんな種類があって
ラチがあかないから気になるやつのパンフレットを全部もらって、同じ階にカフェがあったからそこでパンフレットを見ることにした
「哲也だったら粉のとポーションのとどっちがいい?」
「オレだったら…ブレンドとか試したいから豆からやれる方がいいかなぁ」
「哲也はラテアートとかできるの?」
「最近ちょっと練習してます」
「じゃあラテも淹れられるのにしよう」
いや、ちょっと待て
なんかさっきから…
「ねぇ眞木さん。買うのはオレじゃないんだから…」
「ん?あぁ、そうだね。どれにしようかなー」
そんなこと言って、パンフレット見てるけど
でもオレも自分だったらこれが欲しいなー、とか思ってる
しばらくパンフレットとにらめっこして
これはエスプレッソができないとか、これは一回にできる量が少ないとか
3つくらいに絞り込んでまた売り場に戻って
「これだったらラテもできるし」
「色は?黒と白があるみたいですよ?」
「だったら黒だな」
ようやくこれってのが決まって
先生はレジの方に歩いていった
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