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秋葉原を出て
待ち合わせした駅とは違うところで降りたから
まぁまだ16時だし、どっか行っても…
て思ってついていってたら
あれ、ここって…
「先生んちかよ!」
「ちょっと今日は荷物が重かったからな。帰ってきちゃった」
え、と……
これはオレも先生んちに一緒に入るべき?
まぁ別に…嫌がる理由もないし
「お邪魔します…」
「どうぞー」
前に一回来たけど…
あいかわらずいい部屋だよなぁ
「ちょっと休んだらコーヒー淹れてね」
「は?せっかく買ったんだから先生が使いなよ!」
「いや、俺は哲也に淹れてほしくて買ったし」
はぁーー…そういうことか
どうりでオレの意見ばっかり聞いたわけだ…
「だったら始めからそう言えば…」
「だって言ったら哲也遠慮するだろ?」
まぁそりゃあ…
「哲也んちに行くのもいいんだけどさ、いつ店番してるかわかんないし。だったら家でゆっくり哲也のコーヒー飲みたかったの」
う……
また恥ずかしいセリフをさらりと…
でもそうは言っても
新しいものを開けるのはドキドキするし
自分も気になってたものを使えるのは正直嬉しいから
「わー!黒かっけぇ!」
「一回洗ってくるから説明書読んどいてね」
先生が台所に行ってる間
説明書を読みつつ、お店で挽いてもらったコーヒー豆の袋を開けたら
「いい匂いだなぁ…」
「はいお待たせ。じゃあやってみるか」
先生とあーだこーだと言い合いながらなんとかセッティングできて
「これであとはできるのを待てばいいのかな?」
「そうですね…できるはず…」
ちょっと不安に思いながら
コーヒーメーカーを見つめてたら
ポコポコと、お湯が沸く音がして
「あ、できてきた」
「オレ、この音とか好きなんですよね…」
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