今日から二学期

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「直人!忘れ物ない?」 「ないよー大丈夫!いってきます!」 「あ、兄ちゃん。俺も行く」 9月になって 今日から二学期が始まる 家を出ようとしたら剛典も出てきたから途中まで一緒に行くと 「剛典、ちゃんと宿題終わらせた?」 「まぁ…ぼちぼち」 「お前もそろそろ高校のこととか考えてんの?」 剛典はオレと違って頭がいいから どこの高校に行くのかなーなんて興味もあるし 「うーん…まだわかんない」 「ふーん。まぁなんかあったら話聞くよ」 「うん。じゃあね」 剛典とは途中で分かれて オレは駅に向かう 二学期からは この時間の電車の 1番前の車両に乗ることになってるの ドキドキしながらホームで電車を待って 髪型変じゃないかな? 制服もちゃんと着れてるよな… 身だしなみを確認してたら電車がきて 1番前のドアから乗って 中をキョロキョロしてたら 「直人、こっち」 少し混んでる電車の中で 啓司さんは向かいのドアのところに立ってて 「…おはようございます…」 「おはよ」 挨拶したら、啓司さんはオレをドアとイスの間の角のスペースに入れてくれて そんなさりげない優しさにもドキドキしちゃってる
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