第1話

4/45
前へ
/45ページ
次へ
親父までも『お前の気持ちは解るが、周囲にご迷惑をおかけしたのも事実だ』だと。そりゃ、奉公先の家を血で汚したし騒ぎになったし医者の手配もしてもらったし心配もかけた。 奉公先の人達になら俺も頭下げて当然だと思うが…あの糞爺には絶対下げん!というか、元凶だろうが! しかも謝罪するならば今回は大目に見てやろうだと? ふざけんなっっ! 俺は悪くねぇ! というわけで、傷がある程度落ち着いてから家を出た。 家族や奉公先の人達には少しばかり罪悪感もあるが、これ以上あの糞爺の面を見続けるのは無理だ。絶対次は俺の腹じゃなく奴の腹を刺しちまう。 そっちの方がより迷惑だしな。 だから動けるようになり次第直ぐに出立したんだが、さて何処に行くか?勿論あてなんて無ぇ。 まぁ無いなら無いで、とりあえず都にでも向かって日雇いで旅するのも一興だろ。と、京へと足を運んだわけだ。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加