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さぁいざ京の都に到着してみると、そりゃあもう凄いの一言。
俺が居た松前藩の片田舎とは違い、人はお祭り騒ぎのようにわんさかいるし、建物も一つ一つが綺麗な造をしている。
それに道行く人達は皆どこか洗練された雰囲気で、良い女があちらこちらにいやがる!
そして何よりも!
高けぇ……。
路銀…無ぇよもう。
いゃぁ元々大した路銀があったわけじゃなかったけどもだ。
食い物も宿賃も、片田舎とは雲泥の差にうっかり顎が外れちまうかと思ったぜ。
初めは浮かれて宿場に滞在してみたが、あっという間に路銀が尽きて途方に暮れてしまった。
なのでフラフラと散策していると、山が見えた。
直ぐそばとはいえないが、そこまで距離があるわけでもない程よい距離。
そして山には山菜や果物があり、宿賃は不要!
俺の頭に天啓が降りた!
『金がなければ野宿すればいいじゃない!』
天の恵み、頂きまっす!
都にゃあ日雇いの仕事はあるが、誰かの紹介でもなけりゃ身元が確かだと証明する術もないのが現状の俺。まだ仕事を探し始めたわけじゃねぇからわからねぇけど、もしかしたら難渋するかもしれねぇから残りわずかな路銀は大切にしねぇとな。
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