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一度、自分の部屋へ向かう。
階段を上がり、一番端っこにある扉を開くとギギッと重い音を立てる。古いベッドと小さな棚、他になにか置けるスペースは無く、ギリギリ歩ける程のスペースしかない。窓はあるが、明かりは無い。空を飾る星の僅かな光が、この部屋の明かりだ。
俺は馴れた手付きで小さな棚を開け、着替えを取り出す。着替えと言っても綺麗な服ではなく、使い古した服だ。
着替えを片手に部屋から出て、一階に下りる。風呂場は洗面所の隣にあるため、また洗面所へ向かう。
俺の足音しか響かない家は、なんとも静かだ。落ち着くような寂しいような、自分でも分からない気持ちが俺を困惑させる。
風呂場に着くと、すぐに服を脱ぐ俺。身体は痣だらけ。見ているだけでも、痛みがぶり返す。
シャワーを出すが水は冷たい。湯を使う事は滅多にない。確かに湯を使えば身体は温まるが、傷だらけの俺の身体が悲鳴をあげる。
「……っ」
水の勢いが強かったのか、ずきりと肩に痛みが走った。俺は一瞬だけ顔を歪めたが、それ以上の反応は見せなかった。髪の毛を濡らし、滴り落ちる雫を眼で追いながら、少しの間身体を冷水で流した。
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