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「はぁ゛っぁ……」
小さな身体は地面を転がり、痛みに悶え苦しんだ。父親は容赦無く俺の身体を傷付ける。
「何度言えば、分かる!?手を休めるな!!なんの為にお前を訓練していると思っているんだ!」
父親は俺の身体を蹴り続けながら、同じ言葉を繰り返す。
俺は自分自身を守る事で精一杯。父親に痣が出来る程、身体が傷付けられても、俺に出来る事はただ暴力が過ぎ去るのを待つのみ。涙を零せば、父親は激怒し更に暴力をふるう事は過去に学んだ。故に涙が零れぬよう、必死に堪える。
「……今日の20時まで素振りを続けろ、分かったか」
俺の頭を足で踏みつける父親は冷たい声で命令した。俺は途切れ途切れに
「わ、かり……まし、たっ」
と絞り出した。父親の足が浮き、俺を蔑むように睨み付けてから立ち去る。
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